駒大、盤石の継走 青山学院・国学院続く 全日本大学駅伝

 
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第55回全日本大学駅伝で、一斉にスタートする各校の選手たち=2023年11月5日午前8時11分、名古屋市熱田区、金居達朗撮影
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 第55回全日本大学駅伝対校選手権大会が5日午前8時10分にスタートした。名古屋市熱田神宮西門前から、三重県伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前までの8区間106・8キロで争われる。

 【7区】レースは区間距離が長い終盤2区間に入った。駒大は大きなリードを奪った状態で主将の鈴木芽吹がスタート。淡々とハイペースを刻んでいる。後方では、国学院大の平林清澄が、6秒前にスタートした3位中大の湯浅仁に4キロ付近で追いついた。

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7区を走る駒大の鈴木芽吹に声をかける大八木弘明総監督=2023年11月5日午前11時48分、金居達朗撮影

 先頭の駒大・鈴木は依然、快調なペースで飛ばす。10キロ地点で2位青学大・太田蒼生との差はさらに開いて2分45秒。3位争いは国学院大、中大が3分25秒差で並走している。シード権争いは、9位創価大のスティーブン・ムチーニが、8位早大の伊藤大志を36秒差で追いかけている。

 【6区】駒大は、当日変更で花尾恭輔に代わってエントリーした安原太陽が、区間記録とほぼ同じペースで3キロを通過した。

 後続との差はさらに広げ、6・3キロ地点で2位青学大とは2分4秒差。3位で並走する国学院大、中大とは2分32秒差とした。シード権争いは大東大ケニア人留学生、ピーター・ワンジルが抜け出し7位に。8位をめぐり早大創価大が並走している。

 駒大・安原太は、最後まで力強い走りで先頭を譲らずにたすきを渡した。2位は2分21秒差で青学大、熾烈(しれつ)な3位争いは、中大の吉中祐太が制して先頭と2分58秒差。4位国学院大に6秒の差をつけた。

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6区を走る駒大の安原太陽

 5位城西大に続いて、ワンジルが二つ順位を上げた大東大が6位でたすきリレー。城西大は5年ぶり、大東大は18年ぶりのシード権獲得を狙っている。7位東京国際大、8位早大までがシード圏内。早大と9位帝京大は44秒差となっている。

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 【5区】駒大は大会新記録ペースからは少し遅れたものの、依然として伊藤蒼唯が悠々と先頭を走っている。その約1分30秒後方では、4位でスタートした青学大の山内健登が、城西大を5キロ付近でかわして2位に浮上した。

 駒大・伊藤は暑さに顔をゆがめながらも、最後までピッチは衰えず。首位を守って中継所に飛び込んだ。2位との差はさらに30秒以上広がり、1分55秒差で青学大国学院大は、前年も5区を走って区間賞を獲得している青木瑠郁が三つ順位を上げ、2分9秒差の3位で通過した。4位中大、5位城西大、6位東京国際大と続いた。

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第5中継所で駒大6区の安原太陽(右)にたすきを渡す5区の伊藤蒼唯=2023年11月5日午前10時52分、津市、金居達朗撮影

 7位早大から8位大東大、9位創価大を挟んで10位東農大までが16秒差にひしめき合っており、8位以内までに与えられるシード権を巡る争いが白熱している。創価大は吉田響が区間新記録の走りで、四つ順位を上げた。

 【4区】駒大は大会新記録ペースの盤石な継走を見せている。4区を任された赤星雄斗は淡々とペースを刻み、5キロ通過は14分27秒。後方では7位でたすきを受けた中大の溜池一太が追い上げを見せ、8キロ手前で2位青学大の小原響に追いつき、並走している。

 気温が21度ほどまで上昇し、選手たちの額に汗が目立ち始める。先頭で駒大の赤星が中継所に飛び込んできてから、1分22秒後の2位でたすきをリレーしたのは、城西大の斎藤将也。6人抜きの快走を見せた。城西大は第2中継所では13位通過だったが、3区のキムタイと2区間連続の区間賞で、大幅に順位を上げた。

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4区を走る駒大の赤星雄斗=2023年11月5日午前9時43分、金居達朗撮影

 3位は1分34秒差で中大、4位は1分39秒差で青学大国学院大は高山豪起が三つ順位を上げて6位まで浮上してきた。

 【3区】先頭の駒大は篠原倖太朗が、やや抑え気味のペースで入る。20秒差の3位でたすきを受けた早大の石塚陽士は青学大をかわして2位に浮上し、3キロ地点で駒大・篠原にも10秒前後の差まで迫る。34秒差の5位でスタートした中大の吉居大和は、4キロ付近で3位青学大に追いついた。

 駒大の篠原はペースを徐々に上げ、早大・石塚との差を引き離す。7・4キロ地点では中継所でたすきを受けた時よりもさらに16秒の差を広げ、36秒差になった。中大の吉居大はペースが上がりきらず。3位で並走していた青学大の佐藤一世、後方から来た東京国際大の佐藤榛紀に引き離されて5位に後退した。

 駒大の篠原はさらに後続との差を広げ、1号車から2位のチームが見えない状態になった。中継所の手前で早大をかわした青学大が1分差の2位。1分1秒差の3位で早大。東京国際大、帝京大が続いてたすきをリレーした。

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3区を走る駒大の篠原倖太朗=2023年11月5日午前9時13分、金居達朗撮影

 中大の吉居大は二つ順位を下げて1分28秒差の7位でたすきをつないだ。城西大はケニア人留学生、ビクター・キムタイの快走で13位からシード圏内の8位までジャンプアップ。8位でスタートした順大の1年生、吉岡大翔は実力を発揮できず、三つ順位を下げて11位でたすきリレーした。

2区の佐藤圭太は区間新 駒大の強さ見せる

 【2区】先頭でたすきを受けた駒大の佐藤圭汰が最初の1キロを2分37秒のハイペースで突っ込み、早大山口智規が食らいつく。後方では東京国際大のケニア人留学生、アモス・ベットが順位を7位から3位まで上げている。

 5キロ過ぎ、駒大の佐藤が早大の山口を徐々に引き離し始めた。3位集団では青学大の黒田朝日がペースを上げ、9キロ手前で早大の山口に追いついた。

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2区で早大山口智規(右)を引き離す駒大の佐藤圭汰=2023年11月5日午前8時52分、金居達朗撮影

 駒大の佐藤は最後までペースを落とさず。区間記録を11秒更新する走りで、後続との差を広げて首位でたすきをリレーした。2位は16秒差で青学大、3位は20秒差で早大

 東農大のルーキー前田和摩は東京国際大のベットを抜くなど、10位から4位まで順位を上げ、鮮烈な学生3大駅伝デビューを果たした。

 前半区間に主力を並べている中大は34秒差の5位。前年準優勝の国学院大は「3本柱」の一人、山本歩夢が出走したが、1分28秒差の10位での継走となりやや出遅れた。

1区区間賞は駒大の赤津、1秒差で早稲田の間瀬田

 【1区】中大の吉居駿恭がスタートから先頭を引っ張る展開に。4キロ過ぎに青学大の若林宏樹が先頭集団から飛びだし、5キロを区間記録を上回る14分22秒で通過した。

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第1中継所に向かってラストスパートする駒大の1区・赤津勇進(右)と早大の1区・間瀬田純平=内田光撮影

 8キロ手前から駒大、国学院大、中大などを含む2位集団が追い上げを開始し、9キロ付近で青学大の若林をかわす。残り500メートルを切ってからのスパート合戦を制した駒大の赤津勇進が先頭でたすきをつないだ。1秒差の2位に早大の間瀬田純平、3秒差の3位に中大。前年準優勝の国学院大は7秒差の6位、青学大の若林は8秒差の8位で中継所に飛び込んだ。

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第1中継所でたすきをつなぐ駒大の1区・赤津勇進(手前左)と2区・佐藤圭汰(同右)=内田光撮影

     ◇

駒大4連覇か、阻むのは国学院か中央か

 大会史上初となる2度目の4連覇を目指す駒大は、アジア大会の男子5000メートルで6位入賞した佐藤圭汰を2区(11・1キロ)に、主将の鈴木芽吹を7区(17・6キロ)にエントリーした。当日変更でハーフマラソンの日本人学生記録保持者、篠原倖太朗が3区(11・9キロ)に、6区(12・8キロ)は花尾恭輔に代わって安原太陽が登録された。

 昨年準優勝の国学院大は7区に平林清澄、最長区間の最終8区(19・7キロ)に伊地知賢造を登録。当日変更で2区に山本歩夢がエントリーされた。今年の箱根駅伝で2位に入った中大は前半区間から主力を並べ、1区(9・5キロ)に吉居駿恭、2区に中野翔太、3区に吉居大和をエントリーした。

 青学大は当日変更で1区に若林宏樹を、3区に佐藤一世を、7区に太田蒼生をエントリーした。順大は当日変更で3区に5000メートルの日本高校記録を持つルーキー、吉岡大翔を登録。2区にエントリーされている三浦龍司からたすきを受けて走る。

 

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